令和の旅は「心の平穏」重視へ─失敗を避ける“メンパ旅”が拡大
株式会社JTB総合研究所は、「ライフスタイルと旅行に関する調査2026」の調査結果をまとめました。
本調査は、人々の価値観、働き方や暮らし方、情報収集や旅に対する考え方を中長期的に把握することで、人々のライフスタイルはどのように変化し、旅へのニーズがどう変わっていくのかのヒントを得ることを目的に2024年から調査を開始しました。昨年は特にZ世代における、時間を効率的に使い、生産性を最大化しようとするタイムパフォーマンス(タイパ)重視の行動や考え方に注目しました。今年度の調査では、精神的なストレスを極力避け、心の平穏を優先するメンタルパフォーマンス(メンパ)重視のトレンドに焦点を当てています。
【幸福度と生きる価値観】
1.今の生活の幸福度は2年連続で減少傾向、男性は40代、女性は30代が最も低い結果に。生きがいを感じることは、「家族の役に立つこと」、「健康を向上させること」
【日常生活でのタイパ・メンパ行動・情報収集について】
2.無駄に見える時間や何もしていない時間への価値は年代で異なる。
若い年代は無駄な時間は避けたい一方で、何かをしながらであれば「無駄ではない」と考える傾向が強い
「失敗は次の学びにつながる」という意識は、男女ともに50代以上が高い、29歳以下は低い傾向に
3.参考にする情報源は「家族・友人・知人の話」、「テレビのニュース番組、報道特集番組」が上位
伸び率では2年連続で「知り合いではない一般人の匿名によるSNSへの投稿」 、「AIの回答」が急増
【理想の暮らし、人との距離感・居住地について】
4.心地よい居場所は「ストレスがない」、「自分だけの時間や空間が確保できる」、「飾らない自分でいられる」こと
近所付き合いは「挨拶やちょっとした立ち話程度の交流があれば十分」
5.理想の働き方と現実にはギャップ。約7割が週1日以上の在宅勤務を望むが、実現できているのは約3割
男性29歳以下は、「趣味との相性」、「仕事」で居住地を選択
【働き方や学び、お金についての考え方】
6.こだわりをもってお金を使うものの1位は「旅行」。物価高騰などの影響から前年より減少する項目が多い中、「旅行」に加え、「投資や資産の運用」、「自己啓発のための学費・受講費」など、将来に向けた投資は増加
【旅についての意識・価値観】
7.海外旅行から国内旅行へシフト? 「海外旅行コア層(2~3年に1回以上、必ず海外旅行へ行く)」がコロナ禍前と比べ半減
8.旅に求めるものは、「食」、「リフレッシュ」、「家族や友人の時間を楽しむ」、年代やライフステージでも変化
旅先での行動は、不安回避・安心重視の“メンパ行動”は比較的若い年代で高く、予期せぬ出来事やトラブル、未知を楽しむ行動は年齢が上の年代で高い傾向に
【まとめ】
本調査では、日常生活における「タイパ」行動の定着、その先にある“メンパ”志向の広がり、そして理想の暮らしとして「ストレスがないこと」を求める価値観が明らかになりました。こうした心の平穏を優先する意識は、旅行においても同様です。若い年代を中心に「失敗したくない」、「予想外を避けたい」という安心志向が強まっており、旅の形も変わりつつあります。
「メンパ」は今後のキーワードになりそうです。
